三行社説 2007. 10
10月13日 (土)  まわりの大人が悪い


前にもどこかに書いたと思うんですが、
確かちょうど興毅がランダエタと再戦をする直前でした。

あまりにも亀田ファミリーがもてはやされるんで、
どんなもんなんだろう・・・と思い、一度大毅選手の試合を
後楽園ホールまで見に行ったことがあります。
確か、「男祭り」とかそんなタイトルだったと思いますが。


強かったんです。
あのガードを固めて前に出て行くスタイルを貫き、
相手選手に何もさせなかった。
こりゃ応援してもいいな、と思いました。


今回のタイトルマッチも内藤選手といい試合をするだろうと信じていました。
が、結果はご覧の通り、一方的にやられて負けました。
やりずらいスタイルを大毅が持っているとすれば、内藤はそれを上回るスタイルを持っていました。
勝負を大事に行ったのでしょうか、大毅は手数が出せず、自分の距離を作ろうとすると
その手前で必ず相手からのパンチを浴びてしまう。
気がついたときにはKOしなければ勝てないまでのスコアの差となっていました。
大毅陣営が焦ったところで、既にどうにもならないほどの試合展開。
ラッシュに戦法を変えようとしたところで、あとは内藤はそこまでに貯めた貯金で
悠々自適に暮らすことができた、つまり程よく打ってクリンチに逃げる形でOKだったわけです。
まったくもって両者の経験の差がはっきりと出た試合でした。


まず僕が残念だったことは、経験の差は大毅だけではなく、セコンドにもあったということです。
セコンドがボケだったから、ああいう試合になったと、YouTubeで見直して改めて思っています。
今回の試合は、今までの亀田ファミリーの試合でよく言われてきたスコアの不透明さをなくすために
試合途中(第4ラウンド・8ラウンド終了時点)で、3人のジャッジを明らかにするという形でした。
第4ラウンド終了時点で、3ポイントから4ポイントの差を持って大毅が負けていることに
なぜもっと危機感を持てなかったのかと思います。
4ポイント離されているということは、冷静に考えれば、すべてのラウンドを相手に取られている
ということを意味しています。
ここまでの差のつけられ方は、今までの試合になかったことです。
この時点で大毅陣営のセコンドが危機感を持っていたら、第5ラウンドから戦法を変えて
打ち合いにもっていけたと思うのです。
大毅の一撃KOの拳(こぶし)を信じるよりも、彼の持つもう1つの武器「打たれ強さ」を
信じるべきだったと僕は思います。


もうひとつ残念だったことは、真実はまだ明らかになっていませんが、
父親や兄貴の興毅選手から、反則を行うよう指示があったという点です。
これは第11ラウンド前のインターバル中での出来事ですが、
セコンドについた父・史郎トレーナーが突然大毅選手の耳元で何かを囁いた光景は
テレビを見ていた僕にはとても奇異に映りました。
まさか反則を促すようなことを言っていたとは想像もしていなかったのですが、
もしそうだとするならば、これは大変な問題ですよ。本当に。
金拝主義も甚だしい。親が子に対し伝えたり教えるべきことでは断じてないです。
親しき仲にも礼儀あり、失礼ですよ。
子が、大毅がかわいそうですよ。


彼は耳打ちをされたあと、一瞬表情が固まり、目の色も変わりました。
父親の言葉にかぶせるように興毅が何かを言った、
そのことには僕は史郎に目がいっていたため放送中は気づきませんでしたが、
もうひとつ史郎が何かを言おうとしたときに、大毅選手は大きくタンを吐くのです。
これは父に対する拒絶のように僕には思いました。
かわいそうですよ、「もう勝てないから、金玉打て」だの「ヒジを目に入れろ」だの言われて
戦いに出て行く選手は。
たぶん、あそこで大毅選手のボクサーとしての緊張の糸は切れたと思います。
第11ラウンドは、明らかに自分のボクシング・スタイルを守れていません。


最終ラウンド、彼は内藤選手を押し倒し、執拗なまでに顔にグラブをあてがい、
ペナルティーとして失点1を取られます。
あの時点でペナルティーを取られることは、もう「お終い」を意味します。
しかし、大毅選手はガッツポーズを見せるわけです。
あれは、指示を忠実にやったぜ!という父親や兄貴に対するケツをまくった愛の表れです。
1つ犯してしまえばあとは怖くない。
続いてリフトアップからの叩きつけですよ。
あれは彼が悪いんじゃないと思います。
まわりの大人が悪い。
僕は戦いに出た亀田大毅選手だけは擁護したいと思います。


もうひとり糾弾されるべき人間がいます。
亀田一家が所属するジムの会長である金平です。
たとえ話題作りだとしても、相手選手を「ゴキブリ」呼ばわりすることは止めなくてはならない。
宇宙パンチ? それはいいです、わけが分からないけど選手が自分の売りとして喋ることだから。
でも、煽りにもならない駄言は叱ってやめさせる、それが大人のすることでしょ。


調印式での「切腹」発言のときもそうです。
やつは大毅選手のとなりでバカ笑いしてるじゃないですか。
あんた、人間が下劣だよ、と思います。
「切腹に関しては亀田家の問題であって、自分は関係ない」というようなことを
取材に対してコメントしていますが、これはこの人の問題です。
結局、試合に負ければそれはセコンドの問題、
選手の管理がなっていなければそれはジムの問題、
こんなことはどこの世界でも、政界でも経済界でも芸能界でも同じことです。
まったく頭にきます、リング外でのことに。


僕は亀田大毅という選手は魅力ある男だと今でも思っています。
18歳のキャリアでは戦わせるべきでない選手とグラブを交えた勇気を僕は買いたいです。
これを1つのバネとして、もう1回這い上がってきて欲しいと思います。
今度は素の亀田大毅として。


それにはまず、セコンドがさめざめと反省し謝罪し、心を入れかえて取り組むか、
さもなくば他の人手に彼を渡すべきだと僕は思います。


がんばれ、大毅。



ちなみに、今度は興毅選手があだ討ちで出てくるなんて話がありますが、
内藤選手には、何があっても受けて欲しくないです。


どうせ受けるんだったら、人生というものを少しでも叩き込んでやった大毅選手との再戦を望みます。


もし興毅選手と試合をするんであれば、ファイトマネーは亀田家が今回受け取ったとされる
内藤選手の取り分の1千万の10倍の金額、つまり1億円が妥当だと思います。



関連URL:

http://jp.youtube.com/watch?v=swuHuO4N8IU&NR=1

http://jp.youtube.com/watch?v=jGZ8uaL1DGU&NR=1


前月 2007/10 翌月
SuMoTuWeThFrSa
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
過去記事閲覧
前月 前月の記事へ
- DiaryNote -