1月31日 (火) ライブドア・ショック
人生ゲタを履くまで分からない。 ライブドア事件のその後を見てつくづくそう思う。 一時は土俵際まで攻め込まれたフジテレビだが ライブドアが腰砕けという一人相撲を取って陥落。 フジテレビにとって「棚ボタ」以外の何でもない展開となった。
株価上昇に伴い一時は600億円を超える含み益をフジテレビに与えたとはいえ 放送に足るコンテンツを打ち出せないライブドアはお荷物に過ぎなかった。 会見を開き両社が手を取り合った姿が映し出されても 寝込みを襲い居座わった半ば盗人風情とライブドアを揶揄する声は フジテレビ社内には根強かった。
それがどうだろう。 このお粗末な事件のお陰でライブドアに対して賠償を求められるという 完全上位に立つことが出来たのだ。 それだけではない。 一説によれば、この不祥事による株価暴落のあおりを受け フジテレビが抱える負の財産は100億とも300億とも言われているが 地上波ではなくデジタルを使う時代の到来を前に 別の大きな武器となるネット展開を図らずも手に入れられたのである。 「テレビを殺す」と言っていた側が主客転倒したと見るむきは大きい。 ライブドアにはソフトの配信技術だけでなく、あらゆる可能性がつまっている。 地上にある社会を電波という大気中に新しく構築すべく動いていた会社だからだ。
民放各局はこの事態をどう見ているのだろう。 楽天との提携を一笑に付したTBS、マードックとの一騎打ちがあったテレビ朝日。 早急に次なる手を打たないとフジテレビの独壇場になってしまうと 経営陣は思っているのではなかろうか。 こうした流れにIT業界はさらに勢いを増すだろう。
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1月19日 (木) ライブドアの粉飾決済
順調に最高値を更新していた東証株価が この2日間で700円以上値下がった。 15000円という壁を突き進み、あれよあれよと16000円を超えた株価だが 1会社の失策、いや失態により、一種の「バブル現象」だったことが露呈してしまった。 ネットによる売買を盛んなブームに押し上げた会社が こうした事態を引き起こしたことはなんとも皮肉なことである。
僕はホリエモンの行動を特に応援していたわけではない。 とはいえ、数々の突飛な事業展開を絶えず生み出す集団の能力や 金銭に対する感覚の鋭さに敬意を払っていた。 ただフジテレビの買収劇の時と同じことが頭をよぎった。 情緒の欠落である。
あのときは現場を支える技術職の愛社精神を踏みにじる言動を多く発した。 今回は、株価を大幅に下げる原因を作ったことに対してのコメントが 想像以上に少ない。 出てくる言葉は自社株を持つ人たちに向けての言葉、 たとえばライブドアはこれからも買収を続けていくので 会社存続に問題はない、といった内容ばかりのように思う。 この集団には血相を変えている一般投資家の顔が見えないのではないか。 いったいこの一件に泣いた一般投資家の数はどれくらいなのだろうか。
16000円超という株価は数千万から数億出せる投機家のお陰だけでは出来ない。 何十万、多くて200~300万で勝負をかける一般投資家が 圧倒的にいないと現状では生まれない数字なのである。 その人たちに対する言葉を、たとえば本人の「社長日記」にでも掲載してくれれば 僕は救われる気持ちになる。 残念ながら数日間見てきたが、そうした部分は見当たらないのだ。 通常業務に問題はない、ただそれだけなのである。 だとすればこの一件で相当な打撃を受けた投資家は 損益の補填をライブドア社もしくはホリエモンに要求してみてはどうなのだろうか。 裁判に訴え、報道によりこの事態が別の側面を帯びることしか この会社につける薬はないような気がする。 捜査により「クロ」との判決が出てからのことかもしれないが。
耐震偽造に関わったとされるヒューザーの小嶋社長は 自信が販売した欠損マンションやホテルに対し 自社の含み資産だけでは賠償金に満たないので 耐震基準を満たしていないのに認可した国家に対し賠償を求め それを住民に対する賠償金に充てるという考えには僕は同調する。 この人はけして誠意ある対応をしているとは思わないが 損益を生んだことに対する賠償を自発的に発表しない集団よりは ある意味マシなのではないかと思う。
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